相談事例
相談事例
作成日:2011/03/07
社員15名の卸売業。当社の社員の給与設定は、採用時に「残業代を含んで35万円」などと本人の同意を得て決めています。しかし先日監督署調査で残業代未払い、遡って払えと勧告されました。どうしたら良いのか?



毎月の賃金に残業代を含ませることは全く認められないことではありません。でも次の2点を充たす場合のみ認められるという扱いになっています(判例上も)。@賃金に含まれる残業代部分を明確にし、それが何時間分の残業代になるのかを明示すること、A実際の残業代が賃金に含まれている額を超える場合は、その差額を支払うこと、の2点を充たし、しかも従業員との間でその合意ができていること(就業規則等で定めている)が、必要とされます。よって御社の場合は、そのような取扱いをしていなかったため、監督署から遡及支払を勧告された訳です。今後の改善方法としては、「固定残業手当」を導入されるのが良いと思います。例えば現在支給している賃金を基本給部分25万円、残業手当35時間分10万円等に分けて(総額支給はこれまでと変えずに)支給する方法です。この固定残業の制度導入の際には、「1カ月の時間外労働時間制限」をどうクリアするか?や「基準内賃金(時間外計算の分母)」を単純に「基本賃金÷1カ月平均所定労働時間」とした金額を持ってくるか等について、多少工夫すべき注意点や社員との間で「不利益変更」の問題も出て来ますので、可能であれば社労士等の助言を受けられる方が良いでしょう。
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