相談事例
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作成日:2017/12/23
土曜日の所定休日(A)に半日出勤してもらい、その半日出勤分を他の出勤日(B)に半日 休として休んでもらった場合、(A)を(B)と振替えた処理は、適法と言えるでしょうか?



先ず労基法上の「振替休日」について確認する。
振替休日とは「就業規則等において休日として特定して定められ、『労働義務のない日』とされている日(A)を予め他の労働義務のある日(B)と交換して、『休日』を『労働義務のある労働日』とし、他の『労働義務のある労働日』を『休日』として労働義務のない日とする措置をいう。(安西愈著「労働時間・休日・休暇の法律実務」頁381)」とされている。
要するに、事前に振替える休日(B)を特定して置くことが、「振替休日」の要件となる。
さて今回の質問に関してお答えする上で、重要な論点は以下の(1)〜(3)である。
(1)「振替」と「代休」の違い
当初の休日を変更して他の出勤予定日を休日とすることを事前に本人に伝えてあるのが「休日の振替」で、事前に振替えの手続きを行わず、当初の休日に労働させた後で他の出勤予定日を改めて休日として与えることを「代休」という。要するに休日を変更する(振替える)前に、変更後の休日の特定の有無が、「振替」と「代休」の違いということになる。
(2)半日休は有効なのか
本来労基法上の休日とは暦日を指し、午前0時から午後12時までの休業のこと(昭和23年4月5日 基発535号)。よって当該休日が、週1日の付与義務のある法定休日であれば、「半日休」という考え方は認められないことになる(暦日主義に反するため)。ただし、労基法を上回って会社で定めた休日や祝祭日などの法定外の所定休日については、この「暦日主義」に拘束されないと考えられるので、「半日休」であっても有効と考えられる。
(3)振替休日の要件
いわゆる「法定休日」以外の休日(所定休日又は法定外休日)については、就業規則や労働契約等で労使の合意が成立しており、その変更(振替)については、就業規則等で休日振替規定が定められていることが、必要とされている(昭23・4・19基収1397号、昭33・2・13基発90号)。「これは、就業規則、労働協約、労働契約等において何ら振替規定がないのに、一方的に使用者が予め休日と定めている日を労働日とし、通常の日と同様の労働を命じることは労働契約上義務のない労働を命じることになるからである。(安西愈著「労働時間・休日・休暇の法律実務」382頁引用)」。あくまでも労使の合意の下で、当該「振替休日」の制度が運用される得るということになるので、本件のような「半日の振替休日」についても就業規則等に記載することが、労働者に対して、より親切と言える。
●結 論
法定休日以外の休日(所定休日又は法定外休日)の半日出勤による半日の振替休日は、法的には違法とは言えないが、半日出勤(半日の振替休日)について就業規則や労働契約等で具体的な取り決めがない場合、本来休日は暦日で取得することを期待していた労働者にとっては「不利益変更」となるため、変更後の休日を特定する際には必ず労働者の希望に従う等の措置を講ずる必要がある。
●理 由
そもそも労働契約上の「所定休日」を法定休日ではないとの理由から、使用者が任意に変更することは労働契約上の不利益変更に該当し、無効になる惧れがある。また契約上「休日」となっている訳であるから、それを変更するについては最低条件として労働者との合意が必要である(就業規則、労働協約、労働契約等)。さらに1暦日の休日が半休に替わった労働者側の不利益を補填するためにも変更後の半休日を労働者が任意に指定できる(振替休日の労働者指定制)等の労働者側の不利益補填の制度設置が必要と考える。勿論、土曜日を半日出勤したために当該週の労働時間が40時間を超えた分については0.25の割増賃金が必要となる(1カ月変形労働制などを採用していない場合)。
(振替休日の労働者指定制): 安西愈著「採用から退職までの法律知識」頁563〜
本来振替休日とする日を事前に特定すべきであるが、その特定(指定)権限を労働者に付与し、どの日と振替え変更するかは労働者の指定に委ねるもの。あくまでも事前の休日の移動による交換的な変更であり、労働者の一定期間中(例えば4週間以内等)の振替休日の指定という形で休日の移動(変更)を行うものである。この場合、振替休日の指定は事前に行われることが望ましいが、所定期間内であれば事後指定でも、事前に休日振替措置として明示して行われる限り有効である。
(振替休日の労働者指定制): 安西愈著「採用から退職までの法律知識」頁563〜
本来振替休日とする日を事前に特定すべきであるが、その特定(指定)権限を労働者に付与し、どの日と振替え変更するかは労働者の指定に委ねるもの。あくまでも事前の休日の移動による交換的な変更であり、労働者の一定期間中(例えば4週間以内等)の振替休日の指定という形で休日の移動(変更)を行うものである。この場合、振替休日の指定は事前に行われることが望ましいが、所定期間内であれば事後指定でも、事前に休日振替措置として明示して行われる限り有効である。(振替休日の労働者指定制): 安西愈著「採用から退職までの法律知識」頁563〜
本来振替休日とする日を事前に特定すべきであるが、その特定(指定)権限を労働者に付与し、どの日と振替え変更するかは労働者の指定に委ねるもの。あくまでも事前の休日の移動による交換的な変更であり、労働者の一定期間中(例えば4週間以内等)の振替休日の指定という形で休日の移動(変更)を行うものである。この場合、振替休日の指定は事前に行われることが望ましいが、所定期間内であれば事後指定でも、事前に休日振替措置として明示して行われる限り有効である。
先ず労基法上の「振替休日」について確認する。
振替休日とは「就業規則等において休日として特定して定められ、『労働義務のない日』とされている日(A)を予め他の労働義務のある日(B)と交換して、『休日』を『労働義務のある労働日』とし、他の『労働義務のある労働日』を『休日』として労働義務のない日とする措置をいう。(安西愈著「労働時間・休日・休暇の法律実務」頁381)」とされている。

要するに、事前に振替える休日(B)を特定して置くことが、「振替休日」の要件となる。

さて今回の質問に関してお答えする上で、重要な論点は以下の(1)〜(3)である。
(1)「振替」と「代休」の違い 当初の休日を変更して他の出勤予定日を休日とすることを事前に本人に伝えてあるのが「休日の振替」で、事前に振替えの手続きを行わず、当初の休日に労働させた後で他の出勤予定日を改めて休日として与えることを「代休」という。要するに休日を変更する(振替える)前に、変更後の休日の特定の有無が、「振替」と「代休」の違いということになる。
(2)半日休は有効なのか本来労基法上の休日とは暦日を指し、午前0時から午後12時までの休業のこと(昭和23年4月5日 基発535号)。よって当該休日が、週1日の付与義務のある法定休日であれば、「半日休」という考え方は認められないことになる(暦日主義に反するため)。ただし、労基法を上回って会社で定めた休日や祝祭日などの法定外の所定休日については、この「暦日主義」に拘束されないと考えられるので、「半日休」であっても有効と考えられる。
(3)振替休日の要件いわゆる「法定休日」以外の休日(所定休日又は法定外休日)については、就業規則や労働契約等で労使の合意が成立しており、その変更(振替)については、就業規則等で休日振替規定が定められていることが、必要とされている(昭23・4・19基収1397号、昭33・2・13基発90号)。「これは、就業規則、労働協約、労働契約等において何ら振替規定がないのに、一方的に使用者が予め休日と定めている日を労働日とし、通常の日と同様の労働を命じることは労働契約上義務のない労働を命じることになるからである。(安西愈著「労働時間・休日・休暇の法律実務」382頁引用)」。
あくまでも労使の合意の下で、当該「振替休日」の制度が運用される得るということになるので、本件のような「半日の振替休日」についても就業規則等に記載することが、労働者に対して、より親切と言える。

●結 論 法定休日以外の休日(所定休日又は法定外休日)の半日出勤による半日の振替休日は、法的には違法とは言えないが、半日出勤(半日の振替休日)について就業規則や労働契約等で具体的な取り決めがない場合、本来休日は暦日で取得することを期待していた労働者にとっては「不利益変更」となるため、変更後の休日を特定する際には必ず労働者の希望に従う等の措置を講ずる必要がある。

●理 由そもそも労働契約上の「所定休日」を法定休日ではないとの理由から、使用者が任意に変更することは労働契約上の不利益変更に該当し、無効になる惧れがある。また契約上「休日」となっている訳であるから、それを変更するについては最低条件として労働者との合意が必要である(就業規則、労働協約、労働契約等)。さらに1暦日の休日が半休に替わった労働者側の不利益を補填するためにも変更後の半休日を労働者が任意に指定できる(振替休日の労働者指定制)等の労働者側の不利益補填の制度設置が必要と考える。勿論、土曜日を半日出勤したために当該週の労働時間が40時間を超えた分については0.25の割増賃金が必要となる(1カ月変形労働制などを採用していない場合)。(振替休日の労働者指定制): 安西愈著「採用から退職までの法律知識」頁563〜本来振替休日とする日を事前に特定すべきであるが、その特定(指定)権限を労働者に付与し、どの日と振替え変更するかは労働者の指定に委ねるもの。あくまでも事前の休日の移動による交換的な変更であり、労働者の一定期間中(例えば4週間以内等)の振替休日の指定という形で休日の移動(変更)を行うものである。この場合、振替休日の指定は事前に行われることが望ましいが、所定期間内であれば事後指定でも、事前に休日振替措置として明示して行われる限り有効である。


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