相談事例
相談事例
作成日:2010/11/21
仕事量が減って、資金繰りも悪化。このままではいずれ倒産の可能性もあります。現在10名いる社員を2名程度解雇しようと思います。1カ月前に解雇予告をして、特別に退職金の上乗せをすれば充分ですよね?



ちょっと待ってください。この解雇は「解雇権の濫用」で無効となる可能性大です。今、社長さんの計画しておられる2名の社員の解雇は、いわゆる「整理解雇」と呼ばれる形態に該当します。しかし残念ながら、そう簡単に「整理解雇」が認められることにはなりません。先般からマスコミでも話題になっているJAL航空の人員削減に関する一連の報道を見るとよく分かると思います。今正にJALがやろうとしているのが、「整理解雇」です。「会社の経営内容が悪化したから辞めてくれ」という社長の言い分が、世の中簡単に通用するもではないのです。ご参考までに、整理解雇が認められるための4つの要件を挙げておきます。@整理解雇をすることに客観的な必要性があること、A解雇を回避するために最大限の努力を行ったこと、B人選の基準が合理的であり、かつ、運用面においても合理的に行われていること、C労使間で十分に協議を行ったこと。この4つの要件を総合的に考慮して解雇の妥当性を判断することになります。ご相談の事例では、確かに@の要件は満たしていると思いますが、A〜Cの要件を満たす努力はなせれておらず、このまま解雇を言い渡すとしたら、後々会社に対し不当解雇を主張されて、めんどうな事になるでしょう。もう一度じっくり検討された方が良いと思いますが。
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