相談事例
相談事例
作成日:2013/04/13
職場の上司の暴言、苛めで抑うつ病を発症し、休職中。出勤しようと思うと、上司のことが頭に浮かび、また体調が悪くなる、その繰り返し。私の職場では、その上司のパワハラで何人も辞めています。どうしたら良いか?



パワハラに関する相談窓口は、労働基準監督署に、総合労働相談窓口というのがあります。しかし、パワハラの問題は本来労働基準法の適用範囲外で、法律的には「人格権という法益」を侵害したことによる民法の不法行為(損害賠償)の問題として扱われることになります。そのため、監督署の窓口では労働局の「あっせん」による民事解決(金銭解決)を薦められるでしょう。しかし、あなたの場合は、職場の上司から受けた苛め・嫌がらせにより病気(精神障害)を発症した訳ですから、業務に起因する「業務上災害」として、労災認定がなされる可能性があります。そして労災となれば会社の責任(安全配慮義務違反)も問われることになり、会社としてもパワハラ上司を放置できなくなります。ご自分の退職まで覚悟しておられるのなら、監督署の労災係で労災申請をするという選択(会社の同意【証明】が無くても申請は可能です)も良いかも知れませんね。

ご参考までに、平成23年12月26日付厚生労働省労働基準局長通達【心理的負荷による精神障害の認定基準について】に掲載された下記の「業務による心理的負荷評価表【別表】」の〔具体的出来事29〕の項目を見ていただければ、あなたのケースが労災に該当するか否かご理解いただけると思います。

心理的負荷の強度を「強」と判断する具体例(平成23年12月26日付通達で改定)

○     ひどい嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた

【強である例】

・部下に対する上司の言動が、業務指導の範囲を逸脱しており、その中に人格や人間性を否定するような言動が含まれ、かつ、これが執拗に行われた

・     同僚等による多人数が結託しての人格や人間性を否定するような言動が執拗に行われた

・     治療を要する程度の暴行を受けた

まつばらブログ